ノーザンソウルサバイバーズ
本日はソウルサバイバーズ。私は久々にDJをする。今回のサバイバーズは、ブリティッシュカウンシルが発行してゐる雑誌で「英国の文化ノーザンソウル」を特集した折りに、ノーザンソウルが体験できるイベントとして紹介されたので、一般のお客さんが来る可能性がある。といふ事で、「徹底的にベタベタな入門編のやうなノーザンソウルを」といふ依頼で私のところにDJが廻つてきたのである。最近は新しい7インチは全く買つてゐない私だが、さういつた依頼なら、なんとかなる。私は珠玉の「ベタベタ基本的」ノーザンソウルコレクションを持つて参上したのであつた。
しかし、私のDJタイムである夜の2時15分には、一般のお客さんはすでに帰つてゐた。当たり前か。が、昔によく来てくれてゐたお客さんも来てゐていつもよりフロアの人数多し。そこに私が怒濤のやうに基本的なノーザンをかけまくると、ワワワワーと、大いに盛り上がつたのである。『SWEET DARLIN』『TOUCH ME,KISS ME,HOLD ME』『I GOT FEVER』『GIRLS ARE OUT TO GET YOU』『BETTER USE YOUR HEAD』……。ここら辺の曲は、あまりにも基本的過ぎて最近のサバイバーズではとてもかけられないやうなものだつたのだが、いやはや、やつぱ素晴らしい! 最高だ。これぞ、ノーザンソウルである。と、私は自分で曲をかけながら楽しくて仕方がなかつた。この昇りつめていくやうなノーザンビート、至福感に溢れたストリングスアレンジ、生きる喜びを体現したかのやうなメロディーライン。やはりノーザンはいいわ、と再確認した一時であつた。
「実はみなさんにお知らせがあります」と、イチモトくんがDJボックスからマイクを通して、言つた。とうとう来たか。私は些か緊張した。
「6年間の長きに渡つてみなさんと愉しんできた、このソウルサバイバーズですが、次回7月8日をもちまして、一旦今のままでの形では、お休み、といふ事になりました…・」
シーン……、誰も、驚かんな、やはり。みんなすでに承知してゐたといふ感じか。ま、仕方ない。ここ1年ほどは完全に沈んでゐたからな、ソウルサバイバーズ。当然の展開、とみな考へてゐるのだらう。何ごとにも盛衰があるのは世の理。この終はりを新たな始まりと考へて、次の一歩を踏み出すしかないんぢやないか。な、イチモトくん。
てな訳で、次回のソウルサバイバーズは(とりあへずの)最終回となります。今まで一度でもノーザンソウルに興味を持つたみなさん! 是非、是非、コラージュまで足を運んで下さいませ。
小川顕太郎 Original: 2005-May-13;