Diary 2005年3月21日(Mon.)
テラリー半人前
今日も朝からシャッポーの操作練習に没頭するテラリー。次々と来店する常連さんにもシャッポーで応対するが、みんな些か引き気味である。
「動かすだけぢやダメだらう。何か喋らなきゃ」とマツヤマさん。
「あ、はい、…イラッシャイマセ!」
「うーん、ダメだなァ、それぢや人間の声だよ。ちやんとポーの声で喋らないと」
「ええー! そこまではチョット…」
「ダメだなァ。ま、まだ半人前だな」
と、こんな半人前のテラリーだが、実は小学生の時に、東播磨地区の将棋大会で3位、といふ成績を誇る将棋少年であつたのだ。プロへの道への試験を受けるやう、何度か誘はれたりしたらしい。が、本人は全国大会での惨敗ぶりに、これはダメだ、と諦め、試験は受けなかつたやうだ。
「なに?」と身を乗り出したのはショウヘイくん。オパールで将棋と言へばショウヘイくんだ。「これは一度やらなあかんな「ええ、いいですよ」と早速話はまとまる。うむ、では私が時と場所を指定しやう。時は*月*日、場所は**だ! 分かつた? テラリー。
「はい。…もしかして、それは花見の場所取りですか?」
その通り。察しがいいな。新人の仕事と言へば、花見の場所取りだらう。ショウヘイくんと将棋を指しながら、前日から頼むよ。
「はァ…頑張ります! で、シャッポーも連れて行つていいですか?」
別にいいけど。
「暇な時間はシャッポーの操作を練習したいんです。早く半人前を脱して一人前になるために」
いや、テラリー、それは一寸勘違ひをしてゐるな。「え?」
半人前といふのは、まだ半分も人間だ、といふ意味。テラリーに求められてゐるのは、人間をゼロにして完全にポーに成りきる事だ!
「さ、さうだつたんですかー!」
まだ、甘いな。
小川顕太郎 Original: 2005-Mar-21;