Diary 2005年6月18日(Sat.)
平岡篤頼氏逝去
可能涼介来店。塚本邦雄も倉橋由美子も死んでしまつたなー、といふ話をしてゐると、
「さういへば、平岡篤頼も死んだんだよ。それも“風花”でお酒を飲んでゐる最中に亡くなつたらしい」と、可能が言ひだした。
平岡篤頼ッて、あのクロード・シモンとか訳してゐる人?
「さうさう、フランス文学者の平岡篤頼。実はあの人が『早稲田文学』を支へてゐたんだよ。かなり自腹を切つてゐたらしい」
えーと、早稲田の先生だつたの?
「うん、文学部の教授だよ。で、驚くべき事に、早稲田は『早稲田文学』に金を出してゐないんだよ。慶応の『三田文学』の方は学校からお金が出てゐるんだけど、『早稲田文学』の方は平岡さんが自腹。で、今度その事態に抗議して、『早稲田文学』はフリーペーパーになるらしい。その事を“風花”に来て喋つてゐる途中に、亡くなつたさうだよ」
うーむ、なんか凄い。でも、その死に方は一寸カッコイイやうな気がするな。
「まあな。確か、75、6歳だつたはずだよ」
なるほど。御冥福をお祈りいたします。
小川顕太郎 Original: 2005-Jun-22;