Diary 2005年7月19日(Tue.)
ボディーガード
昨日のDJ QUIKのライブについてもう少し。ステージを観てゐて面白かつたのは、QUIKの隣にピタリと寄り添ふやうに常に厳つい黒人ボディーガードがゐた事だ。頭をツルツルに剃り上げて、腕が丸太のやうに太い黒人が、もの凄い顔で客席を睨んでゐるのだ。QUIKの隣で。QUIKが舞台の上を左右に動き回ると、それに連れて彼も動く。もちろん、客が変なことをしないで大人しく観てゐるやうに威嚇・監視してゐるのだらう。地元ではギャング同士の抗争もある事だし、色々とややこしく、このやうな体制が生まれたのだらうが、日本でそれをやると、やはりなんとなく大袈裟でをかしい。私は何度か笑つてしまつた。あまりに彼の存在が浮いてゐるので。みんなが大いに盛り上がつてゐる中で、ひとりだけ殺気を漲らせてゐる…。
QUIKは全く彼の存在に頓着せず、自由に舞台上を動き回つてゐた。しかも最後には、客席にダイビングまでしたのである。その途端、眉間に皺を寄せ眼光を鋭く放つてゐたボディーガードの黒人の顔が、アワワワワといつた風な表情に変はり、慌てて客席にQUIKを取り戻しに割り込んでいつた。その時の瞳が妙に円らで、ウーン、この人も仕事なんだよなァ、これが、大変だな、と、少し同情してしまつた。でも、やはりをかしいけど。
QUIKがシャンパンや酒、ヘネシーなんかを客席のみんなに振る舞つてゐたのは昨日の日記にも書いたけれど、酒にしろヘネシーにしろ、必ずその瓶をQUIKから奪つて、それの一気飲みを試みる悪ガキが出てくる。その度にQUIKは「オー!」と叫ぶのだが、妙に嬉しさうで、「アイ ラブ オーサカ!」とニコニコしながら言ふのがとても良い感じであつた。DJ QUIK 、また観に行きたいです。
小川顕太郎 Original: 2005-Jul-23;