京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

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 Diary 2005年1月1日(Sat.)

元旦

 例年のごとく実家に帰る。みなでお祝ひをした後、寝る。正月は(も?)、食べて、飲んで、寝て、起きたらまた食べて、飲んで、寝る。ところで、このやうであるべき正月に、最近は一日から営業してゐる店が、結構ある。一体何を考へてゐるのか。賃貸なので遊ばしておくのが勿体なく、正月など関係なく営業するのだらうか。不況続きなので、一寸でも稼ぎを、と、営業するのだらうか。それぞれに事情は分からなくもない。が、正月に休むのは、ほとんど日本人の義務だと思ふ。正月にはみんな仕事を休んで、どこに行つても店は開いてゐない、初詣以外は特にやることがない、といふ退屈な時間を作ること、これが日本の伝統を守ることだと思ふのだ。だから、是非とも全ての店に休んでほしい。みんなに退屈しまくつてほしい。さうしたら、オパールは営業しますので、みなさん殺到して下さい。

 夕方頃起きて、祖母の家に向かう。昨年は祖父が没したので、今年は例年の親戚一同の集まりはなしである。が、それでは祖母も寂しがるだらうといふ事で、各家庭がコッソリ祖母の家を訪ねる、といふ形をとることにしたのだ。祖母の家に着く前に、今年は決して「おめでたう」と言つてはいけない、と父親から再三注意を受ける。喪中なので、「本年もよろしくお願ひします」とだけ言ふのだ。しかし、かういふのは、言つてはいけないと意識すればするほど、思はず口走つてしまうものである。私はさういつた失敗を何度も重ねてゐるので、祖母の家に上がる頃にはかなり緊張してゐた。父親に続いて、すでに何人か親戚の集まつてゐる居間に入る。よし! と気合ひをいれて口を開かうとした瞬間、「おめでたうございます!」と、親父が言つて深々と頭を下げてゐた。……アカンやん、親父。

 祖母の家で夕飯をよばれた後、トモコの実家へと向かう。そこで、おせちを食す。食べて、飲んで、寝て、起きたら食べて、飲んで、さらに食べて、飲んで、食べる。正月だなァ、と思ひながら、眠りに落ちた。

小川顕太郎 Original: 2005-Jan-5;