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 Diary 2005年2月26日(Sat.)

GS

 先日の演歌サバイバーズへの初参加について尋ねると、テラリーは「はい、とても楽しかつたです」と答へた。確かに、かなり盛り上がつたからな。いつもあんな調子だと思はれると困るのだが、ま、とりあへずは良かつた。ちなみにテラリーはみなが歌つた演歌をほとんど知らなかつたさうである。これも、ある意味当然だらう。で、2次会では演歌といふ枠に拘ることなく、自由にとにかくみんなで歌ひまくつたのだが、そこでトモコが現在公開中の映画『ワンモアタイム』に引つ掛けて『本牧ブルース』を歌つた。むろんゴールデンカップスの名曲であるが、これも、テラリーは知らなかつた。…のはまァ、ある意味当然と驚きはしなかつたのだが、なんとテラリーはGS(ジーエス)といふ言葉も知らなかつたのである!(テラリーは現在22歳)グループサウンズ、といふ言葉はなんとなく聞いたことがあるけれど、それを縮めて「GS」といふのは聞いたことがない、と。といふ事は、私がこれまで何気なく口にしてゐた「GS」といふ言葉を、テラリーは理解してゐなかつた事になる。私が「GSはイイよ!」などと言ふのを、何と思つてきいてゐたのであらうか。ガソリンスタンドか? ぢやあテラリー、グループサウンズと聞いて浮かぶグループはいくつある?

「いや、そのー、一体いつ頃のどんなバンドを『グループサウンズ』と呼ぶのか、見当もつかないんです」

 ええ! さ、さうなのか。ま、GSといふのは、60年代末に、向かうのロックの影響を受けて日本で大量に発生した、元祖日本のロックバンド、だけれどね。とてもロックバンドと呼べないやうなグループも大量にゐたけれど、ま、それは今でも一緒だらう。…んで、まー、多分一番有名なバンドは、タイガース、かな。

「あ、それは知つてゐます」

 うむ、さすがにな。有名人も輩出してゐるしな。

「田淵とか掛布とかですね」

 さうさう、で、忘れちやならないのがランディー・バース。…て、もしかしてボケてゐるの?

「すいません」

 いや、別にいいけど。…それから、スパイダースも同じくらゐ有名かな。

「あ、それも聞いたことがあります」

 だろ? まァ、スパイダースを知らなかつたら話にならない、と思ふけどね。それは堺正章と井上順がゐたから、ではなく、井上孝之や大野克夫、かまやつひろし等、その後の日本の音楽界の一翼を担つた人たちがゐたからだけどね。日本で最初のGS、つまり最初のロックバンドでもあるし。

「なるほど、でも、ボク、正直言つてあまり音楽に興味ないんです」

 うむ、さう言はれると、私も言葉がないが。確かに、テラリーの好きなバンドはビギンとイエローモンキーだしな。でも、ま、これからは演歌だけには精進してください。ところで、カップスのドキュメンタリー映画『ワンモアタイム』、京都では公開しないのか。

小川顕太郎 Original: 2005-Mar-1;