くやしい!
本日はコータローくん VS ハッサクさんのジェンガ・エクストリーム対決である。闘ひが始まつてみて分かつたのだが、二人とも慎重・繊細派。ピースを抜く前に長考し、ゆつくり慎重に抜き、ソッと軽く置く。故に、ジェンガ・エクストリームの塔が、今までにないほど安定感を誇つてをり、勝負がつくまでにも長時間を要した。
特に凄いのがハッサクさん。指で少しづつピースを押し、微妙な調整をかけながら抜いていくので、時間がかかる、かかる。周りのギャラリーからも「これは、すでに“秘技”と呼んでいいんぢやないか?」「うむ、“秘技ハッサク”か」などと言ふヒソヒソ声が聞こえてきたりする。基本的に静かな闘ひ。息詰まる時間がいつまでも続く。40分を超えたあたりで、ハッサクさんは「もう、ダメかも。疲れた。早く終はつてほしい…」と弱音を吐き始め、対してコータローくんは「よーし! そろそろ楽しくなつてきたー!!!」と精気を漲らせ始めた。さて、どうなるのか…。
ガラガラガッシャーン! 突如ジェンガの塔は崩れ落ち、その上にハッサクさんが突ッ伏した。ハッサクさんの負けである。コータローくんはガッツポーズをきめる。と…「く、く、く、くやしいィイイイイイー!!!!!!」と叫びながら、突ッ伏したままのハッサクさんは拳でテーブルをバンバンと叩き、足で激しく地団駄を踏み始めた。「ちやんと抜いたのにー! なんで倒れるのー! なんでー!」ハッサクさんはガバッと跳ね起き、満身の力を込めて地面を蹴りつけ、さらに壁をポカポカと叩き、それでも足りないのか全身を震はせて身悶へを続けた。「くやしい! くやしい! くやしい!」「いやー、ここまで激しく悔しがる人を見たのは初めてかも。うん、美しい! 美しいね、かういふのは。赤塚不二夫のマンガに匹敵する。これが見られただけでも、今日の試合をやつて良かつた。いやー、いいもん見たわー。ハッハッハ!」と、コータローくん。
ちなみに、その後に私とカズ16の闘ひもあつたのだが、こちらはアッサリと私の負け。考へてみれば、私はまだ一度もジェンガで勝つた事がない。弱いな、我ながら。
小川顕太郎 Original: 2005-Aug-31;