京都まつり
フクイくん来店。本日は、といふか昨日からか、京都まつりである。京都まつりとは何ぞや? と、京都ネイティブの人たちに尋ねても、さァ? と、一向に気のない返事が返つて来るだけ。とにかく年中まつりだらけの京都にあつても、一際どうでもよい感の強いまつりのやうである。そんな訳でこの京都まつり、何をしてゐるのかよく分からないのだが、とりあへず京都市役所前で何かやつてゐるのは確かである。で、それともうひとつ、御池通りから二条あたりにかけての寺町通りをミニ SL が走る、といふ事が、フクイくんからの報告で分かつた。そんな事をしてゐたとは。
「でもねェ、うちの店には一言もないんですよ! 一言もなく、このまつりの時は勝手に道路に線路がひかれて、ミニ SL が走るんです。」
ふーん、でも、さうなればたくさん人が集まるんぢやないですか。お店の方には来ないんですか。
「確かに、もの凄い数の人が集まつてゐるんですが、店には全く来ないです! 昨年もさうだつたから、今年は窓を開けてスピーカーを外に向け、ガンガンに音楽を流してやりました。でも、入つて来たのはお客さんではなく、SL の煙ばかり。もう、煙くて煙くて」
なるほど。
前にも書いたが、K DUB SHINE とデヴ・ラージによる日本初とも言はれてゐる本格的ビーフについては、業界内で強い箝口令が敷かれてゐるやうである。雑誌「bmr」では、丸屋九兵衛が編集後記にてここ数ヶ月からうじて触れてゐたが、今月号では触れず、代はりに業界全体に対する強い怒りを「抽象的」に表明してゐる。これはやはり、何らかの圧力があつた、と見るべきではないか。そして何と言つても雑誌「blast」。もともとはこの雑誌に載つた K DUB SHINE のインタビューが直接の発端、と言はれてゐるぐらゐなのに、この事件は黙殺。が、それに対して、「blast」内の連載「公論 R」の連中が抗議を行ひ、大々的にこのビーフを取り上げた。これが先月号。その号には、同時に編集長によるこのビーフに対する意見表明も載せられ、そこでどこからか圧力がかかつてゐる、と匂はせる記述を行つてゐた。こんな訳であつたから、私は今月号を楽しみにしてゐたのだが、読んでみると、なんと「公論 R」は突然の連載終了! 一応その理由は述べられてゐて、「公論 R」の連中は編集長の意見表明に対して反論を載せることを希望したのだが、雑誌側はこれ以上このビーフに関する記事は載せない、といふ理由でこの反論掲載を拒否。それなら、と、連載終了に到つたといふ。
これはもうほぼ確実に箝口令が出てゐると思ふのだが、ではどこがどういふ理由で圧力をかけてゐるのだらうか。レコード会社か? しかし、ビーフなんか上手く利用すればもの凄く CD の売り上げに繋がるのに。やはり、本場アメリカのやうに殺し合ひ、とまではいかなくても、何らかの問題が起こつて、その時に事件を煽つたとして責任を問はれる事を、みなが恐れてゐるのだらうか。
誰か、「自由な言論」を行使してください。