会話
ハッサクさん来店。「この間ハッシーと『ワイルド・アット・ハート』の話をしてゐて、なんだか話がうまく噛み合はないなー、と思つてゐたら、私が頭に浮かべてゐた映画は『ワイアット・アープ』でした。ちやんと聞こへてゐなかつた。」こんなハッサクさんは、むかし自分がつけてゐた映画覚へ書きノートを読み返しても、全く思ひ出せない、観た覚へのない映画がたくさんあつて、悩むさうだ。
ハッシー来店。といふか今日はカズ 16 との英語教室で、それが終はつた後、いそいそとみんながゐるカウンターにやつて来た。ババさんやフクイくんに対して、喜々として映画の話をする。ハッシーは自分の観た映画に関する感想や気になつた事を書き留めるノートを作つてゐるのだが、それを見せながら、喋る。そこには、絵なんかも描いてあつて、なかなか楽しい。と、さうかうするうちに、話はジョン・ベルーシのことになつた。
「ジョン・ベルーシッて、誰ですか!」とハッシー。
「ベルーシは、サタデーナイトライブに出てゐた米国のコメディアンだよ映画では『アニマルハウス』とか『ブルースブラザース』に出てゐる」
「ああ、あの太つてゐる人ですか!」
「さうさう、あのねー、あのベルーシの太つてゐながら身軽なところがイイんだよ。ダンスの上手いデブ、ッて、素敵ぢやないか」
「それは…リッキーレイクみたいなもんですね?」
「お! さうさう、そんな感じ」
「……こんな会話がしてみたかつたんや。…」
と、ハッシーはいきなり身を震はせた。なに? なに? どうしたんだ?
「…いつもみんなの話を横で聞いてゐても、サッパリ分からなくて、必死に聞き耳をたてるだけだつたけど、やつと、会話に入れるやうになつてきた…。嬉しい。」
さ、さうか。でも、あんまりハッシーが黙つて人の話を聞いてゐる所は見た事がないんだけどなァ。
「いや、分からないのにムリヤリ話に首を突ッ込むから、いつもみんなを困らせてゐたんです。」
なるほど。
明日はメアリー・J・ブライジのコンサート、だよー!
小川顕太郎 Original: 2004-May-28;