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 Diary 2004・5月4日(TUE.)

ヴェンダー

 みなさん、「ヴェンダー」といふ言葉を御存知だらうか。この言葉を教へてくれたのも、「ほげ」同様コータローくんなのだが、もともと「ヴェンダー= vender, vendor」とは「売り手」の事を表す英語らしいのだが、それが最近、「自動販売機」といふ意味の日本語として使はれてゐるやうなのだ。コータローくんの推測によると、近頃はコンビニのせゐで自動販売機の人気が落ちてゐるから、何とか自動販売機のイメージアップを図ろうと、横文字に呼び変へてみたのではないか、との事だ。テレビでは、コカコーラのコマーシャルで、「ヴェンダーないの、ヴェンダー」と連呼するものが流されてゐるさうだ。

 それにしても、この CM における、ヴェンダー=自動販売機といふのはもう当然の常識だよ、といふ作りや、横文字に呼び変へるといふ安直さなど、如何にも広告代理店が一枚噛んでゐるやうでウンザリする。幸い、コータローくんの周りでも、まだ自動販売機の事を「ヴェンダー」と呼ぶうつけ者はゐないやうだが、テレビの感染力は大きいから、油断はできない。こんなウタチイ策略にだけは乗つてはいけないと思ふ。コータローくんにも、もし「ヴェンダー」などと言ふ若者が出てきたら、しつかり叱るやうに頼んでおいた。もちろん、私もさうするつもりだ。

 などと言ふ話をワダくんにしてゐたら、「さういへば、それは『フライヤー』に似てゐますよねェ」と言はれた。確かに、昔は「フライヤー」などと言ふ言葉はなかつた。いつから「ちらし」が「フライヤー」になつたのだらうか。

「たぶんそれは、パソコンでデザインする人たちが増えてからですよ。ボクは『フライヤー』といふ言葉が嫌いで、絶対に『ちらし』といふやうにしてゐるんです」

 ううむ、ワダくん偉い! 私はしつかり汚染されてゐた。…

「ヴェンダー」だけは、絶対に使ふまいぞ。

小川顕太郎 Original: 2004-May-6;