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本日は金曜日の夕方だといふのに、激烈に暇であつた。雨が降つたからか? バレンタインデイの前日だからか? などと色々考へてみたのだが、分かるはずもない。そんな事より、こんな時は…と、ハシモトくんにメールを送つてみた。すると、果たして、しばらくしてハシモトくんが来店してくれた。近くで飲んでゐたとのことで、少しばかり酔つぱらい、ゴキゲンさんである。まァ、ハシモトくんはいつもゴキゲンさんなので、どこが違ふのかと問はれれば答へに窮するのだが、なんといふか、感じである。感じ。実際、その時カウンターにゐたタカハシくんは、ハシモトくんが普段と同じやうに見えたやうで、「ホントに酔つてゐるんですか?」ときいてゐた。
ところでハシモトくんは最近英語の勉強を始めてゐる。それはインターネットを始めたからで、外国の色々なサイト(主にヒップホップ、ギャングスタ系)を読んでみたいし、買ひ物もしたい。だからどうしてもある程度の英語力は身につけたい、といふのだ。立派な心掛けだと思ふ。タカハシくんも感心してゐる。
「タカハシくん、中学の時、英語どうやつた?」
「へ? いや、そんな、全然ダメですよ。いつも一桁でした。」
「あ、さう! オレもさうや。いつも 1 点。名前を書いたら 1 点貰へるねん。書かなかつたら、0 点。通知簿も、いつも 1 や」
「あー、さすがに、通知簿は 1 ではなかつたですけど」
「うそ!! 凄いやん! オレ、体育と美術以外は、全部 1 やつたけど」
「ボク…筆記体は書けるんですよ。夏休みの課題で英語の筆記体を練習するのがあつて、暇だから毎日ズーッと書いてゐたら覚えてしまつて。休み明けのテストでは 100 点でした!」
「ええー!!! うそー!!! 負けたわー! …オレも、筆記体書いてみたいわー」
ハシモトくんの健闘を祈ります。我々も頑張らなくては。
小川顕太郎 Original: 2004-Feb-15;