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 Diary 2004・12月15日(Wed.)

メキシコ

 バンちやん来店。最近KBSでメキシコのドラマをやつてゐるらしく、そのキャンペーンイベントが行はれたらしいのだが、それにバンちやんもDJで参加したのださうだ。…ッて、実はこの話は事前にバンちやんから聞いてをり、それどころか「いはゆるラテンもの以外で、メキシコ人が好きな音楽ッて分かる?」ときかれ、ううーん、メキシコ人ぢやなくてチカーノですが、彼らはオールディーズものが好きなんですよねー、と言つて、彼らの好きなオールディーズもののコンピレーションCDを何枚かバンちやんに貸したりしてゐたのであつた。で、どうでした?

「うん、チョット思つてゐたのと趣旨が違つてゐた。なんかこのイベント、メキシコ方面にも流すんやて。だから和モノがいいッて言はれて。そんなん得意分野やん。江利チエミとかマツケンサンバをかけまくつたわ」

 なるほど。

 で、バンちやんは私が貸したCDを返してくれたのだが、その時に「お返しに」と言つて、何枚か和モノのCDを貸してくれた。その中に、『円楽のプレイボーイ講座12章』があつたので、これ聴きたかつたんですよねー、と言へば、この盤に纏はる話を聞かせてくれた。

 そもそもこのレコードが「奇蹟のCD化!」をしたのには、クレイジーケンバンドの横山剣さんの力が大きく与つてゐるといふ。それは剣さんが、自分といふ人間を創り上げた幼少の頃からの愛聴盤として、各所でこのレコードを紹介し続けた結果、CD化を望む声が高まり、「奇蹟のCD化!」に至つた、といふ事なのだけれど、さて実をいふと剣さんは、あまりにこのレコードを聴きすぎて、ジャケットを紛失してしまつてゐた。が、雑誌などに紹介する場合、ジャケットなしではチトまずい。そこで、なんとバンちやんが、ジャケットだけを剣さんに貸してゐたのだ。

「だからこの盤のCD化は、オレと剣さんの密かなタッグの賜とも言へるんだ」とバンちやん。

 ちなみにバンちやんは、結構ジャケット貸しをやつてゐるらしい。音源は残つてゐてもジャケットがない、といふ場合が往々にしてあるさうだ。

 今年も残すところあと僅かか。

小川顕太郎 Original: 2004-Dec-17;
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