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 Diary 2004・4月23日(THU.)

契約

 イチモトくん来店。「白米が身体によくない、といふ事に卒然と気がつきまして、白米食べるのやめたんです。そしたら、痩せて、痩せて」と言ふ。確かに、イチモトくんは日の丸弁当みたいな白米だらけのものを毎日食べてゐたやうだから、それを止めると痩せるよね。白米は、とりあへず糖分の塊だし。では、玄米にでもしたのかといふと、全てパン食に変へたのださうだ。

 リカさん来店。トモコに、「私は、椎名桔平みたいな、シュッとした二枚目が好きなんですけど、トモコさんはどうですか」と尋ねるので、トモコはしばし考へたのだが、頭に浮かんでくるのはアイス・キューブやアンソニー・アンダーソンだつたので、「わたしは、違ひます。(愛嬌のある太つた黒人がいい)」と答へたさうなのだが、それに対して「あー、さうなんですかー。それはトモコさんが美人だからですよ。私は不細工だから、二枚目が好きなんです」と応じたさうだ。ちなみに、リカさんは充分に「美人」です。

 カズ 16 来店。トモコと契約を交はす。

「カズ、わたし***といふ 7 インチが欲しいのよ。カズがレコードハンティングをしてゐる最中にもし見つけたら、買つておいて。まァ、2 万円までで。」

「分かりました。1 万 8 千円くらゐで買ふやうにします」

「そしたら、それを私が 1 万円で買ひ取るわ」

「ええ! それぢや、ボク損ぢやないですか!」

「何言つてゐるのよ! 私が 1 万円で、カズは 8 千円でいいんぢやない! どこが損なのよ」

「ええー、でもー…」

「だいたい、レコードは買ふといふ行為に意味があるんでせう。持つことなんて、どうでもいいぢやない。それに、どうせカズの部屋なんてレコードだらけで置いておく所なんてないでせう。私が 1 万円も出して、所有してあげるんだから、これほどいい事はないぢやない。必要な時にはいつでも貸してあげるから。」

「はァ……」

 カズ 16 には頑張つて貰おう。

小川顕太郎 Original: 2004-Apr-25;