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 Diary 2003・10月7日(TUE.)

100 万人

 トモコが何やら本を読んでゐるので、横から覗いてみると、『100 万人の空手』といふ本であつた。

「ホホホ、これは総裁の本よ」

 うーむ、総裁と言へば、まさか大川豊の訳ないから、大山倍達のことであらう。ちよつと見せて貰ふと、中は写真満載で、なかなか楽しさうな本である。現在の極真空手では、瓦割りなどの試し割りはあくまでアトラクション、といふ位置づけにあるやうに聞いてゐるが、この本では、巻頭にいきなり「空手の真髄! 試し割り」とあつて、瓦や板や氷などをバンバン割つてゐる様が写真に収められてゐる。かういふ分かりやすさが、まづイイ。また、相手に技を決めた瞬間の写真も多く収められてゐるのだが、このやられてゐる役の人がことごとく外人(白人)なのも、いい。なぜか黒い道着を着た白人が、頭を殴られ、腹を蹴られ、喉を捕まれ、目を突かれて、苦悶の表情を浮かべてゐる。ううむ、凄い。そして何より、『100 万人の空手』といふ題名がよいと思ふのだ。この「100 万人の〜」といふ題は、いかにもセブンティーズである。実際、似たやうな題名のモノが、70 年代には多くあつた。

「さうねェ、『100 万人の英会話』といふ名ラジオ番組があつたわ。父が私に何とか聞かせやうとして、全部テープにとつてキレイに保存してゐたけれど、結局一回も聞かなかつたものよ」

 なるほど。トモコらしいといふか、何といふか。でも、一度も聴かなかつたのに、なんで名ラジオ番組と言へるの? さういふ評判だつたの?

「ま、それもあるけど、父が結構英語を喋られるやうになつてゐたからねェ。スゴイと思つたわ」

 うーむ、なるほど。

 それにしても、最近店が暇すぎるんですけど。

小川顕太郎 Original:2003-Oct-8;