Diary 2003・3月25日(TUE.)
最終回
「最近、昔の友人がよく訪ねてくるんですよ」とワダくんが言ふ。「もう忘れかけてゐたやうな懐かしい人たちが、次々と、ボクの知人・友人たちがすべてボクを訪ねてやつて来るやうなんです」
ほお、それは何かあるのかねえ?
「たぶん、最終回ぢやないですかねえ…ボクの人生の」
…さうですか。確か前に、ワダくんの人生のピークは 24 歳頃だと聞いたことがある。で、34 歳を前にして最終回ですか。新シリーズの始まりを期待します。
オイシン来店。さういへば、オイシンがこの間から大量に借りて見てゐるはずのゴダールは、どうなつたのだらうか。何の話もないが、ちやんと見たのだらうか。
「……実は、どこが面白いのやら、ちつとも分かりませんでした!」
あ、さう。いやー、それは良かつた、良かつた。オイシンが、ゴダール最高! とか言ひだしたら気持ち悪いからねえ。
「でもね、『中国女』は面白かつたんですよ! もう最高! ただ、『女は女である』とか『男性・女性』とかが、どうも…」
ふーん、確か、オイシンは『勝手にしやがれ』も面白くないと言つてゐたなあ。あそこら辺のゴダールは、洒落てゐて最高なんだけどなあ。あ、さうか、オイシンは、洒落てゐる、といふのが分からないんだな。
「そんなことないですよ! あれらの映画が洒落てゐるのは分かります。ただ、面白くないだけで…」
いいや! 分かつてゐない!! 洒落てゐる、といふのは、面白い、といふ事ぢやないか。映画に限らず、ポップカルチャーに於いて「洒落てゐる」といふのは最高の価値だぞ。オイシンは、「洒落てゐる」といふのが、どうゆう事なのか、ちつとも分かつてゐないよ。
「??!! さうですか?!?!」
さうなんだつてば。
小川顕太郎 Original:2003-Mar-27;