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 Diary 2003・1月30日(THU.)

白洲正子の世界展

 ダメだ。もう、ボロボロ。今日は店も休みなので、ゆつくり家で休んでゐたい。……が、もし一日中家で寝てゐたら、日記のネタがなく、またそれで苦しまなければならない。そんなことになるくらゐなら…と、京都大丸で開催中の「白洲正子の世界展」を観に行く。

 私が白洲正子の存在を知つたのは、高校生の時か、あるいは浪人時代か。よくは覚えてゐないけれど、「日本のたくみ」といふ本を買つたのが最初だつたと思ふ。その頃は今のやうな白洲正子ブームは起きてゐなくて、情報も少なかつたので、本などを買ひ集めて、少しづつ白洲正子の存在に迫つていく面白さもあり、結構夢中になつて読んだ覚えがある。それがいつ頃からか、雑誌「太陽」あたりでやたらと白洲正子を取り上げるやうになつて、気がついたら大ブーム。そのうちに、本人は逝去されたのだけれど、死後もブームは衰へず、全集の発行、著書の相次ぐ文庫化、訳の分からない関連本の数々の発売…と、さすがに私もうんざりして、最近では、もうちよつと白洲正子はいいよ、といふ気分になつてゐた。が、本人の遺愛の品々が観られるといふのなら、やはり話は別だ。これは、一度観てをかねばならない。と、病をおして出掛けた訳です。

 そこには、今まで写真を通して見たことのある品々が並んでゐた。それらを観て、私がそれらに共通して感じたのは「柔らかい」といふことだ。写真で見るより、どれもこれも「柔らかい」感じを持つてゐたのだ。なるほど、白洲正子はかういふ人だつたのか、と感じいつた。やはり実物を見るのは大切です。

 …ううむ、まだまだ書きたいことはあるが、体力的にダメ。トヨちやんに貰つたプロポリスでも飲んで寝ます。

小川顕太郎 Original: 2003;