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 Diary 2003・1月9日 その 1(THU.)

上海日記 4日目
前編

最後の朝食豫園商場南翔饅頭店

最後の朝食

 とうとう最後の朝になつてしまつた。グランドハイアット上海の(グランドクラブの)素晴らしい朝食も、今日で最後だ。我々は名残を惜しむかのやうに、大量に食べた。といふか、我々は毎日大量に食べてゐたのだけれど。だいたい、他の金持ちさうな泊まり客の人たちは、ほとんど朝食を食べてゐない。コーヒーとシリアルぐらゐだ。シリアル! そんなもの、私の視界には入つてゐなかつた。それ以外のものは、ほぼ食べた。ジュースもコーヒーも、何杯もおかわりした。よく躾られてゐるはずのホテルの人も、思はず笑つてゐたぐらゐだ。少し恥づかしい。よく躾られてゐるといへば、ホテルの人たちはみな声がとても小さい。これは、シナの人たちはたいてい声がバカでかいので、まづ「小さな声で喋ること」を、躾られるからではないだらうか。まア、単なる邪推ですが。>> 上海寫眞帳 24

豫園商場

 豫園は、上海に来た観光客が必ずと言つてよいほど訪れるといはれる、ベタな観光地らしい。我々もせつかくだからと、最後の日である今日、豫園を訪れてみた。豫園の周りには、土産物屋や飲食店などが軒を連ね、大きな市場を形成してゐる。豫園商場といふ。タクシーから豫園商場に降り立つた私は、思はず「これぞシナ!」と声を漏らしさうになつた。確かにここはベタな観光地であり、意図的にオールド上海の雰囲気を残してゐるとも聞くが、それでも全体に漂う猥雑な感じ、痰を吐くおぢさんや、手鼻をかむおばさん、大声で怒鳴りながら何かを食べてゐる人々、など、私の思ひ描くシナのイメージにぴつたりで、感激してしまつた。>> 上海寫眞帳 25 | 26

 ここでは、多くの人たちが道でお茶を飲んでゐたのだが、それらをみると、みな茶の表面に大量の茶葉が浮いてゐる。さうか! やはりあのやうに、茶葉など気にせずに飲むものなのか。私は 2 日目に行つた「川妹子豆花村」を思ひ出した。でも、やはり飲みにくさうなのだが。

南翔饅頭店

 南翔饅頭店にて小龍包を食す。ここは、「小龍包」といへば必ず名前があがるほどの有名店。さすがにうまい。これも、私のイメージする通りの「シナの味」。ここの小龍包には蟹の身が入つてゐるのだが、店先にガラス張りの小部屋があり、8 人ほどの少女たちが、小さな小さな蟹を、流れ作業で解体して身を取り出してゐる。驚くほどの量の蟹の身と皮が、横に積み上がつてゐる。しかし、みるからに大変さうな仕事だ。一体この少女たちの時給はどれぐらゐなのであらうか? と考へてみる。人件費などなきに等しいが故に可能な中国経済大躍進、といふことについて思ひをはせる。ううむ、あ、時間がないのであつた。昼までにホテルに戻らなくてはならないのだ。我々は、あたふたとそこを出た。

小川顕太郎 Original: 2003;