Diary 2003・4月18日(FRI.)
えんとつ
ノガミくん来店。「最近は煙突掃除の仕事をやつてんねん」と言ふ。煙突掃除? さういへば、ノガミくんは、昔から煙突に関心を持つてゐたねエ。
「違ふ、違ふ。ボクが感心を持つてゐるのは、長くて丸いもの。そして、さらに中身に隙間があるものや。…うーん、煙草とか。」
まあ、さうか。でも煙突掃除なんて、凄いやん。怖くない?
「もおう、怖いでー! ボク、高い所、苦手やねん。もう、ホンマ、怖い。いつ、飛び降りやうか、てなもんで。雨の時なんか、凄いでー! もう、なんか泣きさうになる」
むーん、大変さうだねえ。でも、煙突掃除の仕事って、結構あるもんなの?
「あるある。大体一日に 2 本くらゐやるけど、それで毎日ある。午前中で仕事が終はる日も多いけど。で、月給は 25 万円くらゐかな。わりと、いい仕事やと思ふけど」
25 万!……やろうかな、バイトで。
「そんな事より、モーツァルトかけてーよ、モーツァルト。ないの?」
ないってば。
「ぢやあ、コニー・フランシス」
だから、ないってば。
「なんでやあ!…あ、ところで、ボクの爺さん、死にかけてゐるんよ」
あ、さうなの。それは…そんな嬉しさうな顔をして言ふことではないのでは。
「で、ボクの爺さん、ゴダールに似てゐるねん。今のゴダールに。」
へー、それはいいねえ。
「いいやろ。死にかけてゐるけど」
今日は久しぶりに昼間(午後1時)から飲んでゐる、といふノガミくんは、オパールでも、テキーラ、カンパリ、ペルノーをロックで飲み干し、フラフラと帰つていつた。
煙突掃除、身体には悪さうである。
小川顕太郎 Original:2003-Apr-20;