拾銭札
篆刻教室に行く。そこでアサノさんに拾銭札(あれ? 五銭だつたかな?)を見せて貰ふ。たぶん、戦時中に発行されたもので、図柄が八紘一宇塔であつた。噂のみ聞いてゐたが、実物を見るのは初めて。興味深く、見る。
オパールにて、クラタニくんとヤマネくんが喧々囂々としてゐる。本日、阪神タイガースは、7 対 1 といふ圧倒的な勝ちのまま 9 回裏を迎へ、ツーアウト・ツーストライクまでいつて、「あと一球」コールが巻き起こるなか、そのまま 6 点とられて追ひつかれ、延長 12 回の表で勝ち越したものの、裏にまた同点に追ひつかれ、結局同点に終はつたのだ。
「この 5 年間で、最高に情けない試合でしたわ」とクラタニくん。
「もう、ダメやー!!」とヤマネくん。
「ほんとに、あれなら多分、ボクが投げてゐても勝ててましたわ。」
「もう、ダメやー!!」
「でもね、阪神はこれで**(打たれまくつた投手)は今シーズン絶対使はない、といふ方針を固めたはずです。いふなれば、勝利の方程式を手に入れた訳です。それを考へれば、安いもんですよ」
「えー! さうなん! …クラタニくん、ポジティブやなあ。ボクなんか、もう、自棄になつて、車にぶつかつてやらうかと思つてゐたぐらゐやのに」
「いやいや、勝利の方程式を手に入れたからには、阪神は行きますよ」
「さうか…なんか元気になつてきた。ここに来て良かつたあー!!」
ぢやあ、今年こそ、阪神は優勝するんだね?
「まあー、3 位くらゐぢやないですかね」
「さうさう。そんなもんだよね。でも、実力的には 3 位だけど、2 位にはなるんぢやないかと思ふんだよね、ボクは。」
「さうですよねー。実力的には完全に 3 位ですけどねー。2 位にはなるでせうね。で、もしかしたら、優勝するかも」
「さうさうさう! もしかしたら、優勝だね!!」
「もしかしたら、ね!」
…どうやねん。一体。
小川顕太郎 Original:2003-Apr-13;