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 Diary 2003・4月11日(FRI.)

拾銭札

 篆刻教室に行く。そこでアサノさんに拾銭札(あれ? 五銭だつたかな?)を見せて貰ふ。たぶん、戦時中に発行されたもので、図柄が八紘一宇塔であつた。噂のみ聞いてゐたが、実物を見るのは初めて。興味深く、見る。

 オパールにて、クラタニくんとヤマネくんが喧々囂々としてゐる。本日、阪神タイガースは、7 対 1 といふ圧倒的な勝ちのまま 9 回裏を迎へ、ツーアウト・ツーストライクまでいつて、「あと一球」コールが巻き起こるなか、そのまま 6 点とられて追ひつかれ、延長 12 回の表で勝ち越したものの、裏にまた同点に追ひつかれ、結局同点に終はつたのだ。

「この 5 年間で、最高に情けない試合でしたわ」とクラタニくん。

「もう、ダメやー!!」とヤマネくん。

「ほんとに、あれなら多分、ボクが投げてゐても勝ててましたわ。」

「もう、ダメやー!!」

「でもね、阪神はこれで**(打たれまくつた投手)は今シーズン絶対使はない、といふ方針を固めたはずです。いふなれば、勝利の方程式を手に入れた訳です。それを考へれば、安いもんですよ」

「えー! さうなん! …クラタニくん、ポジティブやなあ。ボクなんか、もう、自棄になつて、車にぶつかつてやらうかと思つてゐたぐらゐやのに」

「いやいや、勝利の方程式を手に入れたからには、阪神は行きますよ」

「さうか…なんか元気になつてきた。ここに来て良かつたあー!!」

 ぢやあ、今年こそ、阪神は優勝するんだね?

「まあー、3 位くらゐぢやないですかね」

「さうさう。そんなもんだよね。でも、実力的には 3 位だけど、2 位にはなるんぢやないかと思ふんだよね、ボクは。」

「さうですよねー。実力的には完全に 3 位ですけどねー。2 位にはなるでせうね。で、もしかしたら、優勝するかも」

「さうさうさう! もしかしたら、優勝だね!!」

「もしかしたら、ね!」

 …どうやねん。一体。

小川顕太郎 Original:2003-Apr-13;