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 Diary 2002・3月14日(THU.)

雪舟展

 京都国立博物館に「没後 500 年特別展 雪舟」を観に行く。雪舟といえば、小僧の頃に悪戯をして和尚さんに罰として柱に縛られ、その時に足を使って、流した涙でネズミの絵を描き、それが本物そっくりでみな驚いた、とかいう伝説が有名だが、本展覧会ではそのネズミの絵が目玉として展示されている。訳はなくて、私が昔から気になって仕方の無かった怪作『慧可断臂図』が展示されているので、行ったのであった。

 実は私は、この『慧可断臂図』以外の雪舟の絵はあまり知らなかった。雪舟の絵の中で一番有名なのは、切手や長野オリンピックのポスターにもなったという『秋冬山水図』らしいが、これも観たら「ああ、こんなのあったなあ」という程度の認知度だ。しかし今回改めて観てみて、怪物のようにゴツゴツと、絵の中から湧き出ているような岩の描写がかっこよく、全体のワイルドな感じが大いに楽しめた。といっても、雪舟は真筆とされるものが少ないらしく、このかっこよいまでの荒々しさを湛えた絵は少数で、それがちょっと残念であった。

 本命の『慧可断臂図』は、やはり圧巻。この絵、やっぱり変だよ。昔から、なんでこんな変な(しかしかっこよい)絵があるのか? と思っていたのだが、今回他の雪舟の絵を観てみて、異様な岩の描写とか、ワイルドな感じとか、共通点も多く、こういった所からこの怪作が生まれたのか、と感慨深く納得したのでした。

 その他に、雪舟が明に留学した時に向こうの人々をスケッチした絵が展示されていたのだが、この絵を観てトモコが「あ! 友沢ミミヨだ!」と叫んでいた。確かに、友沢ミミヨが書いたとしか思えませんでした。

 夕飯は、先日バンちゃんにお薦めして貰った「北前そば 高田屋」に行く。夜は居酒屋になるのだが、ちゃんと蕎麦が食べられる。嬉しい。日本酒と蕎麦、やはり私にはこの組み合わせが最高です。

 夜になってから雨が降り出す。これは春雨か? ショウヘイ理論を適用しようかと思いましたが、止めました。どっちにしても濡れるのには変わらない。タクシーにて家に帰る。

小川顕太郎 Original:2002-Mar-9;