我慢大会
オオヤさん & コータローくん来店。「アメリカに大食いテロを仕掛ける、っていうのはどうかな」とオオヤさん。「みんなでアメリカに乗り込んで、奴らの食い物をみんな食ってやるねん」「そりゃダメでしょう。テレビでよくやっていた『大食い選手権』と変わらないじゃないですか」「ダメかなあ。じゃあ、どこまで食べるのを我慢できるか、という競争ならどう?」「それはハンガーストライキ」「ううん、じゃあ、アフリカの飢えた子供達の前に行って、どこまで食べ物を捨てられるか、っていう我慢大会は? 泣いたら負け」「それは…そもそも一体何がしたいんですか?」
たぶんオオヤさんはアメリカになんらかの抵抗を示したいのだろう。片岡鉄哉によると(「正論」8 月号)、ペンタゴンは NPR (核の姿勢見直し)を含む、戦略転換を行ったようだ。これまでのアメリカの戦略は、基本的に核による(強力な軍事力による)抑止作戦だった。強力な軍事力で相手を威嚇して、支配する、というやり方だ。それが 911 以来変わった。テロリストに対しては、抑止は効かない。テロリストは守るべき領土も国民もないので、脅しが効かないし、さらに自爆テロまで仕掛けてくるとなれば、こちらもゆっくりしていられない。そこで、積極的にテロリストの居場所を突き止めて先制攻撃を仕掛ける、という戦略に転換したのだという。この先制攻撃には核兵器も含む、ということだ。うーむ、恐ろしい。実際、今年の 11 月にはアメリカで中間選挙があるので、その前後をにらんで、イラクに対して戦争を仕掛ける、という噂がある。戦争によって不況を吹き飛ばし、戦意の昂揚によって国論を統一して選挙にも勝とう、という訳だ。うーむ。戦争の時期に関しては、片岡鉄哉は中間選挙後といい、副島隆彦は中間選挙前という。どちらにしても、きな臭い話だ。
こういう傲慢なアメリカに対して、私も腹立たしい事はオオヤさんと同じなのだが、でも外側から見れば日本はアメリカの同盟国、というか属国で、仲間(というより手下)なんだから、例えばアメリカが中国を核攻撃した場合、まず中国から核兵器による報復を受けるのは日本である可能性が非常に高い。だから、日本もそろそろ核兵器を持たないとヤバイですよ、というのが片岡鉄哉の主張なのだが、うーん、それは全くその通りだとしても、今の日本で核兵器を持つことなど可能なのか? 石原慎太郎が首相になれば可能か? なんにせよ、どこまで悲惨な核攻撃に耐えられるか、という我慢大会だけは御免被りたいものです。
小川顕太郎 Original:2002-Jul-10;