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 Diary 2002・12月24日(TUE.)

ハッピー
クリスマス

 レノン & ヨーコの『ハッピークリスマス』という曲がありますね。日本中で知らない人間はいないんじゃないか? というぐらい、12 月になるとそこら中でかかりまくっている曲です。まあ、私のように中学生の時に、ドーンとジョン・レノンに入れ込んだ人間にとっては、なかなかに厄介な曲なんですよ。街で、特に 12 月に聴くと、暗ーい気分になる。ああ、ジョンが汚されている、とか思いまして。

 うーん、まあ、このジョン・レノンという人も、また厄介な人なんですよ。誤解されやすいというか。たぶんジョンのファンというのは、ぱっくり二つに分かれますね。ジョンのことを愛と平和の人と思っているグループと、狂気のロックンローラーと考えているグループと。もちろん(私にとって)ジョンは狂気のロックンローラーなのであって、ジョンがヨーコとともに繰り広げた平和運動というのも、狂気の産物なわけです。だいたいジョンほどの不良はいないわけで、所詮ミックやキースなんて、ジョンの舎弟みたいなもんじゃないですか。ジョンはたとえ現在まで生きていたとしても、ストーンズの連中みたいな老醜は晒さなかっただろうし、生前も、着実にセレブの道を歩みつつあったミックなんかとは格が違って、決してそのようなものにはなろうとしなかった訳でしょう。ストーンズなんて、ファッションで「不良」をやっていただけですからね。ジョンは生粋の「不良」でした。

 とはいえ、先程も書きましたが、ジョンというのも厄介な存在でね。平和運動というのが、そもそも狂気の産物である、気違い沙汰である、という事が分からない連中に、愛と平和の象徴として持ち出されている。その点、ボブ・マーリーも似たような存在だ。リベラルの、どうしようもない連中が、自分達の市民運動にジョンやマーリーを利用している。そういうのって、たまらなく気分を暗ーくさせるのです。まあ、そういう下らない市民運動なんかに利用されるのに較べたら、クリスマスだから雰囲気作りに『ハッピークリスマス』を流す、というのは、まだマシですけどね。それでも、やはりイヤな気分になる。イヤな気分で聴きすぎて、もしかしたらこの曲、凄い駄曲なんじゃないか? とか、疑ったりして。

 で、西友に買い物に行った訳です。西友ではクリスマス(イブ)という事で、肉類を売っているコーナーで、クリスマスソングをガンガンかけていました。これが! また、酷いしろもので! 初めて耳にしたんだけれど、日本人が歌っている。下らないメロディーに下劣な歌詞、聴くに堪えない歌声、とあまりの酷さに、私は気分が悪くなって、その場を離れたわけです。しかし、肉類を買わない訳にはいかない。他のところで買おうかとも考えたのだけれど、他のところでも同様の曲がかかっているかもしれない。仕方なく、私は勇気を鼓舞して、肉類売り場に戻りました。すると、ちょうどその時、その酷い日本人の歌が終わり、ジョンの『ハッピークリスマス』が流れてきたのです。……うーん、素晴らしい。私は救われたような気がしました。

 やはり、『ハッピークリスマス』は良い曲です。

小川顕太郎 Original:2002-Dec-26;