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 Diary 2002・8月11日(SUN.)

勧誘

 第三者の意見は大切である。カウンターに居るマツヤマさん、フクイくん、はっさくさんと、私、トモコ、ユキエさんの 6 人で、この間の演サバについて語り合っていた時のこと。この間の演サバについては、私は写真付きの日記を書き、演サバの持つなんともいえない和気あいあいとした雰囲気を伝えるようにしたのだが、みんなあの日記は気に入っているようで、「これで他の人達にも演サバの素晴らしさが伝わったはずだ。きっと参加希望者が増えますよ」と、満足げに頷きあっていた。ちょうどその時、たまたまタケダくん(演サバ未経験者。でも『俺節』を愛読し、『長崎は今日も雨だった』を愛唱する。もちろん演サバ日記は読んでいる)がやってきたので、意見を求めてみることにした。

「いやあ、きついっすねえ。」

 な、なに!? きつい? どこらへんが? と、みんなは色めき立った。

「まあ、その、振りがついているところとか。」

「なに言ってるんだよ! あれがなきゃ、ただのカラオケ大会じゃないか!」と、オヤジ、もといマツヤマさんが叫ぶ。

「そうかもしれませんけど…。あの日記はきついですよ。」

「…ダメだ。日記を読んでるだけじゃダメだよ。タケダくんも一度おいでよ。来れば分かる。来ないうちからゴチャゴチャ言ってもダメだよ。」

「いやあ、そう言われましても…。」

「来た人はみんな満足しているよ。誰ひとり後悔していないし、脱落者もいない。」

「うーん、なんだか、それ、アムウェイとかのマインド・ビジネスの勧誘に似ているんですけど…。」

「ほんとは来たいんじゃないの? 下らない見栄は捨てて、勇気を出して、一度来てごらんよ。来てみれば、来る前に悩んでいた自分はなんだったんだろう? って、不思議に思うよ。」

「むむむ…どっちかといえば、新興宗教系かな…この勧誘のかんじ…。」

「ま、どっちにしろ、無理強いはしないから。最終的に決断を下すのはタケダくん自身だし。」

「はあ…。」

「とにかく、待ってるよ」と、マツヤマさんはタケダくんの肩をポンっとたたき、帰っていった。

 うーん、燃えろ燃えろ燃えろ〜!

小川顕太郎 Original:2002-Aug-13;