教育勅語
本日オイシンに、教育勅語の暗唱を命じた。これには、もちろんオイシンのふにゃけた精神を叩き直す、という意味合いもあるが、なぜ教育勅語なのか?という事に関しては、前振りがあるのだ。
先日、畦石舎展が行われた際、テラダさんは「教育基本法」を書いた作品を出品していたのだが、それを見てきたオイシンが、「いやー、店主〜、あのテラダさんの作品、けっこう良かったですよね〜、ほら、あの『教育勅語』を書いたやつー」と言ったのだ。私はずっこけながら、あれは「教育基本法」やろ!と指摘したのだが、オイシンは一向に平気な様子で、「へー、そうですか…でも、まあどっちも似たようなもんでしょうー」と答えたのだ。むろん、「教育勅語」と「教育基本法」は全く違う。戦後、ある意味「教育勅語」を否定するような形で書かれたのが「教育基本法」だ。だいたい、オイシンは「教育勅語」がどういうものか知っているのだろうか?
「ええ!! 『教育基本法』って、戦後に出来たんですか!!」…こりゃ、あかんわ。 そこで、オイシンに教育勅語の暗唱を命じることにした。オイシンは、こういった漢語調の文章などあまり読んだことがないだろうし、漢語調のリズムを身体にいれるのは、オイシンに限らず、非常に有益なことだと思うからだ。まず、声を出して読ませてみる。
「えー、えへへへ……。」
あほ! 照れるな! ちゃんと読め!
「…はい。…えーえー、チンオモウニワカ、え?ワカ、ガ、」
わが、でいいよ。
「えー、コウソコウコクヲ…。」
違う。コウソコウソウ。
「えーコウソコウソウコクヲ、えーあれ?」
違う。コウソコウソウ クニヲハジムルコトコウエンニ。
「えー、コウソコウコクヲハジ…。」
違う!!
やはり、まず読むことが出来ない。まあ、これはオイシンに限ったことではなく、こういった文章を読んだことがない人は、誰でも最初は読めないだろう。どこで切ったらよいのかも、分からない。何度も何度も声を出して読み、覚えること。わかった?
「いやー、面白いですねえー。」
……ほんまか。
小川顕太郎 Original:2001-Nov-23;