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 Diary 2001・5月28日(MON.)

ナショナリズム談義

 いやあ、それにしても昨日『トラフィック』を観た時にやっていた、『パール・ハーバー』の予告編は凄かったね。戦争を嫌がる国民を戦場に引っ張り出すためのプロパガンダが延々と流れて(「我々アメリカ国民は、ドイツ野郎とクソジャップに腰抜けのプレイボーイとバカにされているぞ! ファシズムから自由世界を守る闘いに参加して、あいつらに目にものをみせてやろう!」といったかんじ)、平和に暮らしていた人々が、しかたなく戦争に巻き込まれて、恋や友情が踏みにじられていく、というような映像が延々流れる。やっぱ、そういう映画なんですかね。そうとしたら、最低のプロパガンダ映画ですな、これは。

 だって「真珠湾奇襲」なんて、英米の仕組んだ罠でしょう? 日本軍に真珠湾を奇襲させる事によって、いつまでたっても戦争反対を唱え続けるアメリカ世論を一気に戦争遂行に持って行き、かつ、戦争の正義を自分達のためにとっておこう、という訳でしょう。そういう事って、きっとこの映画では全く描かれていないんだろうなあ。なんといっても、この映画がアメリカで上映されて、今や反日感情が高まりまくっているらしいし。アメリカ国民は、また騙されているんだねえ。そろそろアメリカは中国との戦争を真剣に考えているようだからね。またぞろ、自由主義 VS 全体主義ですか。やれやれ。

 でも、日本人もほんとバカだよねえ。アメリカが昨年「そろそろ日本も憲法第 9 条なんて時代遅れのものは廃して、一人前になったらどうかね」と言ったら、小泉首相が就任してすぐに「憲法第九条の改正をすすめたいとか発表しちゃうんだもの。なんで、そう簡単にアメリカに操られるのかねえ。アメリカは、中国との戦争に日本を巻き込みたいだけでしょう? だっていまやガイドライン法案という、日本軍はアメリカ軍の手先になって働きますよ〜、という法案があるんだから。あああ、頭痛い。

 にしてもアメリカはやっぱ凄いね。なんやかんや言っても、『パール・ハーバー』は面白そうなんだもの。映画は洗脳の道具だ、という事をよく分かって、徹底的に活用しているからね。日・独・伊という全体主義・ファシズム・凶悪・残忍な国家が世界中に侵略したので、世界の自由と平和を守るために正義の味方・連合国が闘った、というでっちあげのストーリーを、たくさんの人々に信じ込ませるのに成功しているんだから、やっぱ凄いよ。日本もなんとか出来ないのかねえ。

「実は、今日は『ムルデカ 17805』を観てきたんですよ!」

 え? なんですかそれはババさん? ふむふむ、インドネシア独立に協力した日本軍兵士の話。邦画ですか。そうですか! そんな映画があったんですか。だいたいあの戦争は、毛唐どもの植民地の取り合いから起ったんですものね。日本はそれに敢然と闘いを挑んだって訳です。もっとそういう事を描いた映画を、日本も作るべきなんですよ。で、どうでした?

「ちっとも面白くなかったです。」

 あー! やっぱりー!! もう日本のそういう映画って、なんで絶対に面白くないのか。

プライド』とか。……やっぱ、アメリカは凄いよ。

小川顕太郎 Original:2001-May-29;