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 Diary 2001・2月6日(TUE.)

鹿肉

 久しぶりにヴァージンに行き、CD を購入する。『funk spectrum III』と『SOUL TOGETHERNESS 2000』の 2 枚だ。『funk …』の方はケブ・ダージとピート・ロックが選曲したディープファンク・コンピで、『SOUL …』の方は、モダンソウルのコンピ。

 どちらもノーザンソウルシーンから派生したものだ。前者はケブが解説を書いており、後者は伝説のノーザンソウル DJ リチャード・シーリングが解説を書いている。内容はどちらも素晴らしい。まあ、これは当然。で、解説を読むと、これがまた、なかなかに感じ入るものがあった。

 私の拙い英語読解力で無理矢理読んでみると、ケブはこう書いている(と思われる)。最近はすっかり「ディープファンク」も根付いてきたようで、オリジナルレコードの値段があがったり、ブートやリイシューのシングルが出たり、ディープファンクをやるミュージシャンが現れたり、ファンジンやウェブサイトができたりと、かつてのノーザンソウルシーンを彷佛とさせるが、我々は気をつけなければならない。かつての過ちをくり返してはならない。我々はファンクリバイバルをやっているのではない。新しいシーンを、新しい音楽を作ろうとしているのだ。そのためには、常に新しい音源の発掘と、新録音をやり続けなければならない。……

 キタアキくんに聞いたのだけれど、ケブは自分のレーベルを作って、若いディープファンクをやるミュージシャン達を育てようとしているようだ。そして自分は、世界中を飛び回って、新しいレア音源の発掘と、DJ プレイ、ダンスをやりつづけている。まさに時流からは離れたところで、それでもしっかりと今という時代を生きている。そういえばケブは、単なるソウルコレクターを凄く嫌っているそうで、さもありなんという感じだ。

 モダンソウルの方でも事情は似ている。今まで聞いたモダンソウルのコンピは、たいてい 80 年代に入るか入らないかぐらいの音だったのだけれど、このコンピに入っている音は、完全に 80 年代以降。現在に繋がる音だ。70 年代に録音した曲も何曲か入っているけれど、それも不思議と新しい響きがする。ううん、やはり彼等も現在を生きていたのだ。常に新しいソウルの探究に余念がない。曲の大半は、ミッドテンポから、どちらかというとスローよりなのだけれど、みんなこれで踊りまくるらしい。羨ましい。本当にソウルを愛しているという気持ちが、ビンビン伝わってくる。時流からは離れているけれど、60 年代から営々と自らのソウルシーンを作り上げ、退行することがない。感動しました。


 オオヤさんが、鹿の肉を持ってきてくれる。家の近所に鹿撃ちの人がけっこう居るらしく、貰ったのだそうだ。で、鹿刺しを食べる。う、うまい。馬刺しよりうまい。オオヤさん有難う。って、食べ過ぎて、明日全員で店を休むはめになったらどうしよう。消毒、消毒、といいながら、ババさんに貰った泡盛を飲む。うーん、これじゃ仕事にならんよ。

小川顕太郎 Original:2001-Feb-8;