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 Diary 2001・8月14日(TUE.)

A級戦犯

 昨日小泉首相が靖国神社の公式参拝をした。と聞いていたのだけれど、どうやら公式なのか非公式なのか曖昧らしい。常連さんに尋ねても、「記帳は内閣総理大臣の肩書きでしたらしい」「でも玉串料はポケットマネーらしいよ」「公用車で乗り付けたという話だが」と、はっきりしない。

 そもそもニュースではどう報道しているのか。「うーん、それも曖昧で」「小泉は、私は公人とか私人にこだわらない、と言っていましたよ」。なんじゃそりゃ。公式参拝くらいビシッとやれよ。これじゃあ、結局、参拝反対の中国や韓国も怒るだろうし、公式参拝を望んでいた遺族や日本国民の人たちも怒るだろう。なんでこう曖昧にするのかなあ。もう。

 ところでみんなと喋っていて、どうも「A 級戦犯」という言葉が誤解を受けているようなので、ちょっと説明をしておきます。B 級、C 級戦犯が、いわゆる戦争犯罪を犯した普通の(?)戦犯なのに対して、A 級戦犯は、戦争犯罪は犯していないけれども、戦勝国が裁きたいと思った人たちにつけられた呼称です。一般には、「戦争全般に対する指導的役割について罪を問われた者」(『国史大辞典』より)を言います。

 しかし、戦争を指導した事が罪に問われる訳がないので、要するに、戦勝国が敗戦国に対して無理矢理おしつけた、懲罰的・政治的な概念なのです。戦勝国の指導者は、誰も裁かれていませんからね。それがどうやら、A 級戦犯とは戦犯の中で一番罪が重い者、といった理解で使われているようなのです。これは全くの誤解ですね。だから靖国参拝問題でもなんだか議論が食い違っているのではないでしょうか。

 私はむしろ、(処刑された)A 級戦犯の人たちこそ、断然に祀るべきだと思いますよ。だって彼らは戦争犯罪は犯していないにも関わらず、戦争の時に重要な地位にいたというだけで、犯罪者呼ばわりされて、処刑された訳ですから。A 級戦犯という概念を認めることは、日本のあの戦争は悪だった、日本は犯罪者集団だった、という事を認めることになります。だから重要な地位にいただけで罪になる、と。しかしそんなバカな事はないのであって、そういう誤った思いこみを正すためにも、他の国がなんと言おうと、処刑された A 級戦犯の人たちを祀るべきだと思います。

 と、言うわけで、明日は終戦記念日。私に言わせれば敗戦記念日。みなみ会館に『ハワイ・マレー沖海戦』を観に行ってきまーす。

小川顕太郎 Original:2001-Aug-9;