Diary 2000・9月24日(SUN.)
夢日記
私はほとんど夢をみない。というか、人間はだいたい一晩に何回かは夢をみているものらしいので、夢を覚えている事がほとんどない、と言った方が正確だろう。それでもたまには夢をみる。もとい夢を覚えている。昨晩みた夢は珍しく覚えているので、ここに記してみようと思う。
私に不死身の祖父がいる話は前にも日記で書いたが、この祖父がかなり衰弱して、四畳半ぐらいの部屋の中に布団をひいて寝ている。そこに私が誰かとお見舞いにいくのだが、実は祖父は秘かにパソコン通信をやっており、メルトモがいたらしく、このメルトモがそこに訪ねてくるのだ。
このメルトモというのが非常に奇妙な奴で、身体はでかいのだが下半身しかない。とはいえ田舎臭い顔をしていたのは覚えているので、顔はあったはずだ。腰の上にあったのか、それともお腹の所にあったのか、そこらへんは記憶が曖昧だ。それはともかく、衝撃的なのは彼は一糸もその身に纏っていない事だ。彼、と私が呼んだからには彼は男で、つまり男性性器がむき出しなのだ。彼はその姿で、祖父に会うために北海道から歩いてきたという。
私は、彼のその道中の困難さに思いを馳せ、彼の情熱にうたれ、自分のメルトモの姿の奇妙さをみて祖父はショックを受けないであろうかという一抹の危惧はあったものの、彼を祖父に会わせる事にした。祖父は一目で彼が誰だか分かったようで、ひしと彼と抱き合った。いや、彼に腕はないのだから、祖父が抱きついただけだったのかもしれない。私はなんともいえない落ち着かない気持ちでそれを眺めていた。
そしてその落ち着かない気持ちのままで目が覚め、今も落ち着かない気持ちで日記を書いている。夢日記でした。
小川顕太郎 Original:2000-Sep-26;