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 Diary 2000・11月22日(WED.)

カノン

 朝日シネマにてギャスパー・ノエの『カノン』を観る。って、なんだか最近映画ばっかり観ているが、何故だかは私もよく分からない。とにかくこうやって映画を観続けていると、ほんとに映画というのは次から次へと目まぐるしく代わるなあ、と思う。ほんとは今日は映画なんて観たくなかったんだけれども、『カノン』は明後日までしかやっていないので、仕方なく観に行ったのだ。勿論、観るつもりでいた映画だったのだけれど。

 映画の方は、ギャスパー・ノエがフランスの根本敬とか山野一と呼ばれているかどうかは知らないが、そんな感じ。フランスのいい顔のオヤジがかなり出てくる。貧しいフランス、情けないフランス、どうしようもないフランス、糞のフランス、間抜けなフランス、が描かれる。といっても貧乏でどうしようもない糞オヤジの元馬肉屋が主人公で、彼のことが描かれる訳だが、ギャスパー・ノエは明らかにこの主人公を通してフランスを描こうとしている。

 そういった所が根本さんや山野一に較べて弱いかな、と思いながら観ていたら、最後のところ、「アテンション!」から後にやられた。ネタばれになるからあまり具体的に書けないが、とにかく笑える。私は座席で身をよじって笑ってしまった。だが、どうやら他には誰も笑っていないようなので、必死になって笑いを抑えた。あとでパンフレットを読むと、まるでそこは感動のシーンのように書かれている。いや、絶対に違う。勿論、感動的といえば感動的なのだが、それは笑いとともにやってくる、いささか間抜けな感動なのだ。根本敬や山野一のファンなら簡単にそのことが分かるだろう。ギャスパー・ノエもお笑いのつもりで作っているとは思うけど。

 休日前なので結構店は忙しい。とはいっても夜の数時間のみだけれどね。明日は勤労感謝の日です。

小川顕太郎 Original:2000-Nov-24;