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 Diary 2000・5月26日(FRI.)

ヒロポン

 鶴見済が自著『檻のなかのダンス』の中で、覚醒剤に関する国の大がかりな情報操作を暴いているので、それを紹介します。要するに「覚醒剤とは、一度手を出したら辞められなくなり、いずれは幻覚・妄想に悩まされ、凶悪犯罪に行き着く恐怖の薬だ」というのは、国が流したでたらめだ、という事です。例え薬害として「幻覚・妄想」が症状として出たとしても、それは「やめて数日寝ればなおる」程度のもの。やめたって禁断症状もない。

 私も、覚醒剤はアルコールに較べたらずっと安全なドラッグだとは知っていた。知ってはいたけれど、やはりどこかで「覚醒剤をやれば脳をやられるのでは」「禁断症状があってやめるのが大変そうだ」と思いこんでいたふしがある。これらは全て嘘だった。秘かに偏見を刷り込まれていた訳だ。

 覚醒剤=ヒロポンは、日本で生まれたドラッグであり、昔はちゃんと市販されていた。それで戦争を闘いぬいた訳であり、坂口安吾は数々の傑作を書き、織田作之助は『夫婦善哉』を書いた。戦後に禁止されたとはいえ、高度経済成長を支えたのがこのドラッグだったのは公然の秘密だ。近い所では、バブル経済だってヒロポンが支えていたと言われている。日本にとってはヒロポンさまさまだ。ヒロポン最高! なのに何故みんなヒロポンに辛くあたるのだ。酷いではないか。

 以上は全て日記のネタにつまったが故の戯言として流して下さい。ちなみにジャンキーとして有名な青山正明は、覚醒剤はやらないにこしたことはない、と言っています。本人はやりまくっているようですが。

 とにかく『檻のなかのダンス』、自分の目で確かめて下さい。

小川顕太郎 Original:2000-May-28;